筋肥大や筋肉そのものと深い係わりのあるBCAA。
トレーニングを始めたばかりの人だと、初めて聞く名前かもしれませんね。
しかし、筋力増強を目指すならこのBCAAをうまいこと使わない手はありません!
というわけで、今回は
- 筋肥大
- BCAA
についてお話します。
すでにサプリなどで摂取している方も、改めてBCAAの魅力を確認しましょう!
目次
筋肥大の仕組み
まずは、私たちの体がどのようにして筋力をつけていくのか。
筋肥大のシステムについておさらいです。
筋肉ってそういう組織?
筋肉は主に筋線維と呼ばれる糸状の束でできています。
その特徴は、細胞がとっても大きいこと。
一つの細胞は
- 太さが最大で0.1mm
- 長さは10cmに及ぶ
ものもあります。
と、言われても、いまいちイメージがわかないかもしれませんね。
だいたい、髪の毛と同じくらいの大きさだと言えばわかりやすいでしょうか。
本来細胞は目でなんてとても見えません。
よって、髪の毛ほどの大きさの細胞なんて、人間の体においては例外中の例外なんですよ。
なぜこんなにも筋肉を構成する細胞は大きいのか?
実は、筋線維の正体は筋芽細胞という小さな細胞の融合なのです。
小さな細胞がたくさん集まり、細長い線維状の細胞になったのが筋線維。
ですから、その中にはたくさんの核があり、
- 栄養補給
- エネルギーのやりくり
- 大きさや太さの調節
などをそれぞれ分業しているというわけなのです。
破壊と修復のサイクル
ポイントはここから。
通常、細胞は壊れたら(死んだら)そのままおしまい。
新しいものが作られて入れ替えられていき、死んだ細胞は消えてなくなります。
しかし、筋線維はちょっと壊れただけでは死にません。
むしろ修復力に長けているため、すぐさまその部分を補修し、
なんだったら以前よりもちょっと強めに補強してくれるのです。
これが、筋肉が肥大する仕組みの基本。
筋線維はトレーニングなどによってプツプツと切れて損傷します。
その傷ついた部分を補修することで、筋肉が増えていくのです。
つまり、筋肉肥大は
- 破壊
- 修復
のサイクルの繰り返しだということです!
ちなみに、この破壊から修復で筋肉がより増強することを「超回復」と呼んだりします。
トレーニング初心者の方は、
と考えたほうが良いでしょう。
大事なのは休息と栄養
破壊と修復のサイクルを無視した、高負荷で激しいトレーニングを、
休みなく続けたらどうなるでしょうか。
いくら修復力に優れた筋線維とはいえ、やりすぎたら死んでしまいます(壊死)。
また、修復するための時間をしっかり取ってあげなければ、筋肉は破壊され続ける一方。
筋肥大にはトレーニングも重要ですが、
きちんと休息の時間(=修復のためのインターバル)をとってあげることが大事なのです。
- きちんとトレーニングをして
- しっかり休息をしているのに
筋肉がちっとも増えない…。
そんな場合は、栄養面の見直しが必要かもしれません。
トレーニングで傷ついた筋肉の修復には、当然ですが『材料』が必要です。
その『材料』が不足すると修復が十分に行われず、トレーニング効果が得られないというわけなのです。
ここでいう材料とは、筋肉を構成するたんぱく質(アミノ酸)などのこと。
これは、
- 食事で摂取するのでもいいし
- トレーニング後にプロテインなどを飲む
のも手っ取り早くていいですね。
しかし、トレーニングが激しくなればなるほど体内のエネルギーも消耗します。
本来人体にとっては、
- 「筋肉を増やす」ことよりも
- 「とりあえず動ける」こと
の方が大事ですから、
エネルギー不足の状態では筋肉の修復よりも体のエネルギー補充のほうが優先されます。
つまり、トレーニング後の食事で、
- 十分な栄養が摂れなかったり
- プロテインの量が不十分
だと、筋肉補修まで材料がまわらないということなんです。
本格的な筋肥大を目指すのであれば、栄養面でも気は抜けないですね。
BCAAと筋肥大
筋肥大の仕組みがわかったところで、今度はBCAAと筋肥大の関係についてです。
まずは、今回の主役でもあるBCAAとは、というお話から。
BCAAって何?
BCAAとはBranched-Chain Amino Acidsの略で、日本語では分岐鎖アミノ酸といいます。
詳しい説明は省きますが、結合の形によって分類されたアミノ酸の一群ですね。
たんぱく質を合成するBCAAとしては、
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
の3種があり、
人間にとってこの3種は必須アミノ酸…、
つまり、体内で作ることができないため栄養として摂取しなければならないアミノ酸なのです。
(ちなみに、必須アミノ酸は上記3つを含め全部で9つあります)
簡単に言うと、BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンの総称で、きちんと食事などから摂取しましょう!
という話です。
筋肉の主原料
重要なのはここから。
実は、このBCAA、なんと!筋肉の主原料でもあるのです!
どういうことかというと…。
筋肉はたんぱく質の塊であり、たんぱく質は主にアミノ酸で構成されています。
その筋たんぱく質中の必須アミノ酸のうち、なんと35%がBCAAなのです!
この35という数字を大きいととるか小さいととるかは人それぞれです。
しかし、人体はとても複雑かつ緻密に作られていること、その中で35%を占めることを考えると、
BCAAが筋肉に与える影響の大きさはかなり大きいものであると言えるのです!
また、それに起因したBCAA独自の効果や役割もあるので、次項で紹介します!
BCAA独自の効果・役割とは?
BCAAには大きく分けて2つの役割があります。
①筋肉の合成効果
BCAAは筋肉の主要な材料ですから、当然といえば当然ですよね。
それゆえに超回復を促進するとも言われていますが、前述のとおり、一般の人では超回復を実感することは難しいので、
「筋肉合成をサポートしてくれる効果」くらいに考えるのが良いでしょう。
②エネルギー源としての役割
通常、筋トレなどの無酸素運動では筋肉に蓄えられていたグリコーゲンをグルコースに変換して、エネルギーとして使用しますが、
このグルコースが不足してくるとBCAAがエネルギー源として使用されるのです。
しかし、グルコースと違って、BCAAはエネルギー用にどこかに蓄えられているものではありません。
ゆえに、筋肉を分解し、そこからBCAAを取り出すのです。
つまり、トレーニングが佳境に入って来ると、逆に筋肉が分解されてしまうというわけなのです!
けれど安心してください。
対応策があります。
それは、事前にBCAAを摂取しておくということ。
- プロテインでも
- BCAAのサプリメントでも
なんでもかまいません。
あらかじめ十分にBCAAがあれば、筋肉の分解を抑制することができるというわけです。
というわけで、BCAAにはその役割を逆手に取り、筋肉分解抑制効果があるとも言えるのです。
BCAAを効率よく摂取するには?
BCAAはアミノ酸です。
そしてアミノ酸を取るなら、まず候補として挙がるのがプロテイン。
普通の食事ではたんぱく質量に不安がある方は、プロテインを摂取するといいでしょう。
筋トレ後にぐいっと飲めば豊富な栄養が筋肉に届けられ、破壊された筋線維をしっかり補修してくれます。
そして、種類に迷ったらなら
- 豆
- カゼイン
よりもホエイがおすすめですよ。
BCAAが多く含まれています。
より手っ取り早く簡単に摂取したいなら、やはりサプリメントでしょうか。
トレーニング前に摂取しておけば筋肉分解も抑えられるため、筋トレ前にサプリを手早く摂取。
そしてトレーニング後にもプロテインを飲めば完璧ですね!
HMBサプリがおすすめ!
実は、BCAAサプリよりももっとおすすめのサプリがあるのです。
それが、HMBサプリ!
HMBはBCAAの一つであるロイシンの代謝産物。
実は、BCAAのうち、筋肉に対して主要な役割をしているのはロイシンであり、
ロイシンは「筋肉合成のスイッチ」とも言われてます。
その代謝産物であるHMBにも、同じような効果が期待できるんです!
もちろん、
- 普通の食事
- プロテイン
- BCAAサプリ
でも最終的にHMBを得ることはできます。
しかし、その変換効率はとーーっても小さく(ロイシンからHMBへの変換率で5%ほど)
十分にHMBを得ようと思うと大量のプロテイン、もしくはBCAAが必要になってしまうのです…!
たんぱく質の過剰摂取は、
- カロリーオーバー
- 肝臓などの内臓に負担
に繋がるため、できれば避けたいところ…。
だったら、最初からHMBの状態でサプリメントとして摂取したほうが早いですよね。
トレーニング前にHMB、トレーニング後にはプロテインを軽く一杯。
これできまり!
おわりに
いかがだったでしょうか。
筋肥大の仕組みとBCAA。
そして筋肥大とBCAAの深い関係。
今後のトレーニングに活かせそうでしょうか。
今回最後に紹介したHMBはアメリカを中心とした海外ではメジャーなサプリで、
日本でも2010年に販売が開始され、徐々に人気を集めています。
効率的にトレーニング効果を得られるため、特にトレーニング初心者さんにはおすすめですよ。
サプリの種類によってはHMBのほかに
- BCAA
- 疲労回復成分
- 精力増強成分
なども入っていますので、ニーズに合わせて選んでみてくださいね。