一時ニュースを騒がせた白斑。
業界を震撼させ、化粧品を中心とした法律や、あらゆるルールが改変されました。
同時に、私たち消費者の化粧品に対する意識も大きく変わったのではないでしょうか。
しかし、化粧品に注意を払うだけでは、白斑を防ぐことはできないかもしれません。
そもそも、白斑とはどういうものなのか。
今回は白斑に対する基礎知識をまとめました。
目次
白斑とは?
白斑とは、読んで字のごとし、白いまだら模様のこと。
皮膚の色が突然白くなってしまうものです。
美白を目指す人にとっては、まるで夢のような話に聞こえるかもしれませんが、白斑とはそんな素敵なものではありません。
白斑は肌の全部に表れるのではなく、部分的にあらわれるもの。
正常な部分と白い部分の境がはっきりとしている場合が多く、まさしく「まだら」なのです。
これは何らかの原因によって肌の色素細胞であるメラノサイトが減少したり、消失したことによって起こる症状だと言われています。
そもそも、メラノサイトとはなんなのか?
私たちの肌とシミなどのメカニズムについても説明しておきましょう。
白斑を治せると話題の商品
ちょっと話はそれますが、白斑の記事を書こうと思ったのも
この商品を知ったからなんです。
友人を介して、尋常性白斑がマシになってきた商品があると知って
少し白斑について調べたのがきっかけです。
ちなみにその商品は「ハニープラセンタ」という商品で
公式サイトには「白斑」という文字はありません。
ただ「まだら肌」という言葉があり
使ってみたところだんだんよくなってきたみたいなんです。
もしご興味があれば、どうぞ。
肌とシミのメカニズム
白斑と相反するシミ。
シミはどうしてできるのでしょうか?
白斑について知るうえで、シミのメカニズムを知ることはとても大切なことです。
「シミ」と聞くと、
- 紫外線
- メラニン
という言葉を連想する人は少なくないですね。
シミにも様々な種類がありますが、そのほとんどはメラニンという黒い色素によるものです。
表皮の一番下の層である基底層にはメラノサイトというものがあり、これはメラニン色素の工場のようなもの。
皮膚が紫外線を浴びるなどして刺激を受けると、このメラノサイトが活性化しメラニンを産生します。
すると、この黒いメラニンが紫外線から肌をカーテンのように守ってくれるのです。
通常、これは日焼けと呼ばれるものです。
日焼けは私たちの肌を守るためになくてはならないメカニズムです。
もちろん、紫外線を浴びない生活を続ければ新陳代謝によってメラニンは排出され、肌の色はもとに戻ります。
シミは、その新陳代謝の異常や、メラノサイトの異常によってメラニンが産生され続けたことによるものです。
以上のことを考えると、白斑の原因がメラニン製造工場であるメラノサイトにあるということは大変わかりやすいですね。
尋常性白斑の原因
白斑の症状のうち、先天的ではなく後天的なものを「尋常性白斑」といい、白斑患者のうち6割がこの尋常性白斑であると言われています。
この白斑の原因ですが、メラノサイトと何らかの関連性があることは予想できても、実は現在でもその詳細ははっきりとしていないのです。
一時ニュースを騒がせたのは、医薬部外品用有効成分である「ロドデノール」。
メラニンの生成を抑制することで美白効果を得られるという成分でしたが、
この成分を配合した化粧品を使用した人々に白斑の症状が現れ、商品の自主回収騒ぎなどに発展しました。
ロドデノールと白斑発生メカニズムはまだ明らかになってはいませんが、類似成分を取り扱う工場で作業員に白斑状のものが見られた、という報告もあったようです。
上記のような特定の成分によって白斑が見られる例はあまり多くはありません。
あまり明確なことがわからない状況の中、以下のようなことが関係しているのではないかと言われています。
自己免疫系の異常説
甲状腺疾患との合併症であることが多いこと。
また、メラノサイトを攻撃する抗体が高い確率で見られることなどから、自己免疫系の疾患と関連性があるのではないかと考えられています。
神経異常説
自律神経の異常が関係しているという説です。
白斑を発症している場合、発汗異常などの自律神経系の変化が同時に見られることから、その関連性を指摘されています。
自律神経は過度のストレスによっても異常を来すため、ストレスや身体的疲労などが根本にあるとも言えます。
遺伝による説
家系の中で複数の人間が白斑を発症するケースは少なくありません。
遺伝子検査をすると、特殊な遺伝子を保有している頻度が高いそうです。
白斑の治療方法は?
尋常性白斑が自然治癒することはないと言われています。
現在、治療法としてはナローバンドUVBという紫外線を照射する方法が試みられています。
これは紫外線で白斑部分の日焼けを促すというものではなく、紫外線の免疫抑制作用を利用して自己免疫反応を抑えるというもの。
ただし、通院の頻度は少なくなく、必ず希望通りの効果が得られるというものでもないそうです。
また、場合によっては皮膚移植なども行われていますが、けして安全な方法とは言えないでしょう。
白斑の範囲が小さい場合は、カバーファンデーションで隠す方法で我慢した方がいいかもしれません。
参考までに、世界的にはその他にも様々な治療法があります。
- ステロイド外用療法
- 免疫抑制剤の外用療法
- 活性型ビタミンD3外用
- 抗酸化剤
などがあり、白斑治療においては日本より進歩している印象を受けます。
国内でも病院や医師によっては上記の治療方法を採用している場合もありますが、保険で認められていないものもあり、事前にしっかり確認する必要があります。
尋常性白斑以外に肌が白くなる症状
肌の色が白く抜けるようになるのは、尋常白斑だけではありません。
他にも以下のようなものがあります。
老人性白斑症
老化によってメラノサイトの機能が低下したことが原因だと言われています。
尋常性白斑よりも小さいのは特徴で、30代くらいから見られ、徐々に増えていく傾向にあります。
癜風(でんぷう)
癜風菌というカビの一種(マラセチアともいう)が繁殖したことによるもので、一般的な症状は赤い発疹です。
しかし、中には皮膚の色が白く抜ける場合もあるようです。
その他
梅毒によるもの、白いほくろなど。
尋常性白斑を含め上記はそれぞれ治療方法や対処が異なります。
肌の色が抜ける症状が現れた場合、自己診断で白斑だと決めつけず、まずは医師の診断を受けることをおススメします。
尋常性白斑まとめ
いかがだったでしょうか。
白斑はそれ自体に人体にとって脅威となる症状はありません。
ただ、「一目見てわかる肌の異常」であるため、発症すると精神的な苦しみは計り知れないでしょう。
ストレスは健康と美肌の大敵でもあります。
現在は優秀なカバーファンデーションも多く、見た目ではほとんどわからないくらいまでに隠すことも可能です。
治療と並行し、カバーメイクの腕を磨くことに楽しみを見出すのもいいかもしれません。
少しでもストレスや悩みを軽減するようにすることが大切ということですね。