数年前からブームになっている熟成肉。
みなさんはお好きですか?
熟成肉だけではなく熟成寿司なるものまで存在していて、それって半分もう腐ってるんじゃないの?
と思う人もいるかもしれませんね。
今回は、そんな熟成肉のお話です。
目次
見た目はまるで腐った肉
熟成肉とは、もちろん言うまでもなく“熟成させた肉”のことですが、
それはやっぱり“腐る一歩手前”の状態を指しているようです。
40日間熟成させた肉について
『表面は黒ずみ、ふさふさした綿毛状のカビが風に揺れている。』
『熟成肉だと知らされずに見たら、ほとんどの人は単なる「腐った肉」だと思うだろう。』
と言う人もいます。
熟成肉は、その見た目から“熟成してて美味しそう”と思える人はいないでしょう。
参考URL:http://style.nikkei.com
美味しい理由は“魔法”
熟成=寝かせること、ですよね。
その寝かせる時間を“魔法”と呼ぶシェフもいるほど、時間こそ何よりも大切なもの。
逆に言えば、時間をかけて寝かせることでしか熟成した状態にはならないということです。
では、なぜ熟成すると美味しいのか?
それは、寝かせることで肉の中の酵素が働き、うまみ成分と言われる“アミノ酸”が生まれるから。
熟成・発酵・腐敗
ちなみに、熟成と似ているものに“発酵”がありますが、熟成は内側で起こる変化なのに対して発酵は外側から変化が始まります。
発酵させたものと言えば、ヨーグルトや納豆、チーズなどが思い浮かびますよね。
では、腐敗とは何が違うのでしょうか?
それは、人にメリットがあるかデメリットがあるかの違いだそうです。
「人間にとって有益か、有害か」の違いのみといえます。
人間が意図的につくりあげ、体に有益なものとなれば「発酵」、そうでなければ「腐敗」という、至ってシンプルな定義です。
つまり、ただ放っておいて“熟成したような状態”になるのは本当に“腐る一歩手前”と言えます。
2つの作り方
熟成のことを“エイジング”と言います。
ちなみに熟成肉は英語でaged meatと言うそうです。(熟成魚はaged fish)
そして、熟成肉を作る方法には
- “ウェットエイジング”
- “ドライエイジング”
という2つの方法があります。
ウェットエイジング
乾燥しないように真空状態にしたり布で包んだりしたものを、0~2℃で2週間~半月ほど寝かせる方法です。
自宅のチルド室などで簡単に行えることから、自作の熟成肉にチャレンジする人はこちらの方法が良いとのこと。
でも、本場アメリカではこれを熟成とは呼ばないらしいです。
ドライエイジング
こちらの方法は、骨付きの大きなかたまり肉を1~3℃で半月~2か月ほど寝かせますが、ウェットエイジングとの最大の違いは“適度な湿度”を保つこと。
最適な湿度は60~80%程度で、その状況を保つためには常に扇風機などで庫内の空気を動かさなければいけません。
熟成した肉は、まわりにカビが生えて見た目はグロテスクなものに変化しますが、もちろん味は逸品!
でも、その“カビが生えている部分”などを大きく取り除く必要がありますので、実際に食べられる部分は全体の60%ほどです。
その完成した熟成肉は、まるでナッツのような香りがしたりとっても柔らかくなっていたりと良いこと尽くし。
こんなに管理が大変だと、自分で作るのは不可能ですよね。
だからこそ、専門店が人気を集めているのでしょう。
実はキケン!専門店に任せよう
実は、熟成肉には危険も潜んでいます。
先ほどご紹介したウェットエイジング法の場合は、表面についていた菌が熟成しているうちに繁殖してしまうことも。
例えば、買ってきた肉を一度まな板に置いてしまうと、まな板に付いていた菌が付着するということも考えられます。
このように、専門知識がない人が熟成肉にチャレンジすると食中毒などの危険が伴いますので注意して下さいね。
『ご家庭では試さないでいただきたいです。自宅で熟成肉を味わいたい方は、ネット通販などですでに熟成されたものを購入し、購入後すぐに焼いて食べることをおすすめします』
参考URL:http://news.livedoor.com
おわりに
いかがでしたか?
そもそも固い肉を柔らかくするために考えられた方法だと言われていますので、国産牛には向かないそうです。
まだまだブームは終わらない熟成肉。
まだ食べたことがない人は、ぜひ専門店に足を運んでみて下さいね!