最近人気のボディメイクサプリ、HMB。
HMBは効率良く筋肉を増強するのにもっとも適した成分だと言っても過言ではありません。
筋肉を手早くビルドアップしたい方は是非HMBを摂取してみてください!
しかし…。
このサプリ、体にとって害は全くないのでしょうか?
特に、男性だと
- 血糖値
- 尿酸値
に不安を持つ人もいるでしょう。
現代女性は男性に負けずアクティブなので、女性でも気になる人は少なくないはず。
HMBが尿酸値や血糖理に影響を与えることはないのでしょうか?
- 糖尿病
- 痛風
の心配は?
今回はそんな疑問をすっきり解決したいと思います!
目次
HMBとは
まず、HMBについて説明しますね。
HMBとは『β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸』(または『3-ヒドロキシイソ吉草酸』)のことで、
私たちがたんぱく質を摂取したときに体内で作られる成分です。
実際にはたんぱく質がそのままHMBになるわけではありませんが、細かい過程はここでは省きますね。
HMBは「筋肉を作るぜ!筋肉の分解は断固反対だぜ!」というシグナルを出すことで、
筋トレ時の筋肉分解を抑制して筋肉の合成を促進します。
しかし、通常の食事で得られるたんぱく質から作られるHMB量はとても少ないのが現実…。
HMBには上記のシグナルを出す作用以外にも、筋肉の疲労回復を促進することで筋肉の増強サイクルを早める作用もあります。
効率的な筋肉づくりをしたいのであればサプリメントでHMBそのものを摂取するのが一番手っ取り早いというわけですね。
HMBサプリは安全か?
そんなHMBサプリ…継続的な摂取が体に何かしらの影響を与えることはないのでしょうか?
今回は血糖値と尿酸値の二つに着目してみましょう。
血糖値への影響は?
血糖値とは
まずは血糖値についてです。
血糖値は血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度のこと。
食事で得た糖質は
- 小腸などでグルコースに分解
- グリコーゲンという形で肝臓や筋肉に貯蔵
- 必要に応じて様々なエネルギーとして使用される
という、人間にとってとても大切なエネルギー源。
血糖値が過度に上昇してしまう原因としては、
- 食べ過ぎ
- 飲み過ぎ
- 運動不足
- ストレス
などがあげられます。
糖質をたくさん食べるとそれらは分解されて大量のグルコースになりますが、
そのグルコースをグリコーゲンに変換するのが間に合わなくなった結果、血液中のグルコース濃度が上がってしまう、というわけですね。
よく、血糖値の改善には運動が効果的だと言われます。
確かに、加齢による筋肉の減少と糖尿病をはじめとする生活習慣病の間に、因果関係があることも近年わかってきています。
筋肉をつけることは血糖値の改善に役立つことと言えるでしょう。
HMBが血糖値に影響するというより…
問題は、HMBを飲んで筋トレを行った場合ですね。
HMBはもともと体内で自然にも作られる成分でもありますし、
その性質上、直接血糖値に何か働きかけることはないと言えます。
それより気になるのは、『筋トレ』そのもの。
筋トレなどの無酸素運動では、筋肉に貯めてあるグリコーゲン(筋グリコーゲン)をエネルギー源として使用します。
この、
- 筋グリコーゲン
- 肝臓に貯めてあるグリコーゲン(肝グリコーゲン)
には実は大きな違いがあるのをご存知でしょうか。
肝グリコーゲンは血糖値が下がるとグルコースになって血液中に放出されたり、
逆に肝グリコーゲンが不足するとグルコースをグリコーゲンに変換して新たに肝臓に貯蓄して血糖値をコントロールしています。
しかし、筋グリコーゲンはグルコースとなって血液中に放出されることはありません。
グルコースが筋グリコーゲンになることはあっても、その逆はないのです。
つまり、
- 筋トレで筋グリコーゲンを消費することは
- 肝グリコーゲンを消費するよりも
効率的に血糖値を下げられるというわけですね。
しかし、問題はここから。
筋グリコーゲンが肝グリコーゲンより優先的に消費される。
失われたグリコーゲンの回復においては、通常肝グリコーゲンよりも筋グリコーゲンが優先されます。
何故なら、筋グリコーゲンが不足するということは
生物にとっては死活問題ですよね。
よって、筋トレで筋グリコーゲンが不足すると、体はかなりスピーディーにその回復を開始します。
筋グリコーゲンのもととなるグルコースを増やす(=血糖値を上げる)ための様々なホルモンが分泌され、
結果的に血糖値が筋トレ前よりも高くなることも珍しくないのです。
特に、筋トレ後に食事をすればそれはさらに顕著になるでしょう。
ビルドアップを目指す人であれば、筋トレ後の食事による良質な栄養の摂取は当然のこと。
しかし、もし血糖値の上昇が気になるのであれば、
- 『筋トレ→食事』の順番ではなく、
- 『食事→筋トレ』の順番にすれば、
血糖値の上昇を多少抑えることが可能でしょう。
さらに、市販のHMBサプリには血糖値を下げるような成分も配合されているものもあります。
HMBサプリは血糖値を上げるどころか、血糖値が気になる人の強い味方だということです!
尿酸値への影響は?
尿酸値とは?
尿酸値とは血液中の尿酸の値のことです。
尿酸といえば、痛風の原因となるプリン体を思い浮かべる人が多いでしょうか。
プリンとは化合物の種類の名前で、我々人間を含む動物の生体内ではとても重要な役割をするもの。
そのプリンを持つ生合成やプリンの代謝産物などをプリン体と呼び、尿酸はその代謝の最終産物です。
なんかよくわからないけれど、とりあえずプリン体から尿酸が作られるとわかれば今回は十分。
この尿酸も体内で重要な役割をもちますが、きちんと排出されないと痛風になったり結石ができたりしてしまいます。
尿酸は生産と排出のバランスがとても大切なのです。
尿酸は前述の通り、プリン体から作られます。
私たちの体内で行われた新陳代謝によってできたプリン体が原因の場合もありますが、
食事から摂取したプリン体が原因の場合もあるため、
ある程度は食事に注意すれば尿酸値の上昇を防ぐことができます。
しかし実は、もう一つ、尿酸が増える原因があるのです。
運動でプリン体が形成される?
それが、運動によるエネルギー消費。
筋トレで筋肉を増やすことは、
- 筋肉の破壊
- 修復
の繰り返しでもあります。
その際に、プリン体も形成されてしまうのです。
激しい運動ではなく、ほどほどの運動を!
- 痛風を持っている人
- 尿酸値が高い人
は、激しい運動や筋トレは避けたほうが良いとも言われています。
ただし、一切の運動を禁止するというわけではありません。
運動によって尿酸値が上昇してしまう原因として、慣れない運動や筋トレを急激に行う事が挙げられます。
体が慣れていないから、尿酸もたまりやすいのです。
尿酸値が高い人や、尿酸値の上昇が気になる人の場合、筋トレを始めるなら少しずつが鉄則。
それこそ、最初はほとんど筋肉痛にもならないであろうレベルから始めるといいでしょう。
そしてそこで効果を発揮するのがHMBです。
- 筋肉の分解を最小限に抑え
- 修復サイクルを早める
ため、尿酸の量を最小限に抑えることが期待できます。
また、少ないトレーニングでも十分は筋肉増強効果を望めますね。
さらに、多くのHMBサプリに配合されているBCAAには尿酸値の上昇を抑制する効果があります。
痛風や尿酸値が気になる人は、HMBを飲みながらゆっくりトレーニングを始めてみるといいのでは?
HMBサプリは誰でも飲んでいい?
ここまで読んでいただければわかる通り、HMBサプリ自体が血糖値や尿酸値に悪影響を及ぼすことはほとんど考えられません。
というのも、HMBがもともと体内で作られる成分であるということと、
『サプリメント』が食品の域を出ないものであることが要因でしょう。
サプリメントは健康補助食品。
薬ではないため、良かれ悪しかれ体に大きな影響を及ぼすことはありません。
よって、トレーニングせずHMBサプリを飲んだだけではムキムキマッチョになれませんし、
肝臓や胃などの内臓に悪影響を及ぼすこともないのです。
ただし、これは一日の摂取目安量をきちんと守った場合です。
本来体に全く害のないはずのものでも、過剰に摂取すれば何らかの影響を及ぼすことも考えられます。
きちんと摂取量を守れば、基本的などんな方でも飲んで大丈夫だと言えるでしょう。
ただし、もともとの体質や持病、飲んでいる薬との相性などもあります。
気になる場合は、かかりつけの医師にきちんと相談するようにしましょうね。
おわりに
今回はHMBサプリが血糖値や尿酸値に影響をするのかというお話でした。
結論、HMBサプリはとくに悪影響を及ぼすものではありません。
問題は、トレーニングそのもの。
- トレーニングの方法を誤ったり
- 自分の状態に合わないトレーニング
は血糖値や尿酸値に影響を及ぼす恐れがあります。
気になる場合はかかりつけの医師に相談し、適切な指示を仰ぐようにしましょう。
また、HMBサプリは素晴らしい力を秘めていますが、
- それだけでは大きな効果は得られません
- また、過剰摂取で効果がUPするわけでもありません。
むしろ過剰摂取は体にとって何らかの良くない影響を及ぼしかねません。
HMBサプリを飲みながら筋トレをするなら、摂取量を守り正しい知識を持って行うようにしましょう!