ボディメイクのためにトレーニングや運動をしている人の中には、
その効率をあげるためにサプリメントを積極的に使用している人もいるでしょう。
特に最近人気なのは、
効率的にトレーニング効果を得られるというHMBサプリ。
トレーニング初心者であればあるほど効果を得やすいため、トレーニングを始めたばかりの人を中心に愛用されているようです。
けど、トレーニングを始めたばかりの頃って、
- どんな運動がいいのか
- どんな頻度で
- どれだけの負荷をかければいいのか
暗中模索の時期ですよね。
となると、同時に気になるのはHMBサプリの摂取の仕方です。
- どのタイミングで飲むのが一番効果が高いのか?
- 運動をしない日にも飲むべきなのか?
今回はそんなHMBサプリの飲み方についてお話しますね。
目次
HMBサプリとは
そもそもHMBサプリとはなんなのでしょうか。
すでに知っている人も、ちょっと興味があるだけの人も、初めて聞いたという人も必見!
HMBの正体とその効果を分かりやすく説明します!
HMBってなに?
HMBの正式名称は『β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸』(または『3-ヒドロキシイソ吉草酸』)といいます。
その正体は、ロイシンという必須アミノ酸の代謝産物です。
といっても、これだけの説明じゃよくわからないですよね。
少し細かく説明していきます!
私たちは食事によって様々な栄養素を摂取します。
今回注目するのはたんぱく質。
ってよくいいますよね。
たんぱく質は
- まず胃液中のペプシン(消化酵素)によってペプトンに分解され
- さらに十二指腸で膵液に含まれるトリプシンによりポリペプチドに
- そして小腸から分泌されるペプチターゼの力でアミノ酸に分解
という流れです。
これだけ見ればわかる通り、当たり前ですが口に入れたたんぱく質が、そのまま筋肉になるわけではありません。
たんぱく質はアミノ酸にまで分解されて初めて血液中に入り筋肉に届けられ、そして合成に利用されるのです。
特に、筋肉を合成する際に欠かせないのがBCAAというアミノ酸。
これは
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
の3つのアミノ酸の総称で、筋肉を構成する主要なアミノ酸と言われています。
それも、ただ単に筋肉の材料になるだけではなく、筋肉の分解を抑制する作用もあるのだとか。
そんなBCAAの中でも一番量が多いのがロイシンです。
ロイシンはたんぱく質(筋肉)合成のスイッチをONにする役割があるとされており、
そんなロイシンがさらに代謝されることで生まれるのが今回の主役。
そう、HMBなのです。
ここまで読んでいただければわかる通り、HMBは微量ではあれど、ロイシンさえあれば私たちの体の中で自然に作られる成分です。
しかし、たんぱく質からロイシンを経てHMBになるまでの効率自体はあまり良くなく、
ロイシンからHBMへの変換率でさえわずか5%程度…。
だったら、最初からサプリでHMBを摂取しよう!
というのが、HMBサプリの意義なのです。
どんな効果が期待できるの?
HMBにはロイシンと似たような効果や、
そのほかにもボディメイク中の人には嬉しい効果がたくさんあります。
①たんぱく質の同化促進効果
難しい言葉を使っていますが、要は筋肉を増強する効果があるということです。
もちろん、HMBを飲むだけでたちどころにムキムキマッチョになれるというわけではありませんが、
HMBを摂取することで通常よりも筋肉の増加が促進されることがわかっています。
②筋肉の減少を抑制する効果
ダイエットをしている人や過酷なトレーニングを行っている人にとっては有名な話かもしれませんが、
私たちの体は摂取カロリーよりも消費カロリーが上回ると、脂肪だけではなく筋肉まで分解してエネルギーを得ようとします。
それ以外にも、日常生活の中や、トレーニング中ですら筋肉は分解されています。
通常状態であれば合成と分解を繰り返しているためあまり大きな変化は見られませんが、
特に筋トレ中には分解がかなり促進されてしまいます。
そんな時役に立つのがHMB!
筋肉の分解を最小限に抑えることで、結果的に筋肉の増強をサポートしてくれるのです。
③筋肉の回復促進効果
筋肉を鍛えるには、
- トレーニングによる一時的な破壊
- 栄養補給
- 休養
というサイクルが必要なのは有名ですね。
一度傷ついた筋肉はより強い筋肉をつけようとするため、ボディメイクは筋肉の破壊と回復を繰り返す作業ともいえます。
この筋肉の修復・回復を超回復と言いますが、HMBには傷ついた細胞の修復を促進する効果もあるため、
結果的に筋トレの成果を早めることに繋がるのです。
HMBサプリの飲み方
では次に、HMBサプリの飲み方についてお話しましょう。
せっかく筋トレの効果を高めるために飲むのですから、一番効率の良い飲み方を知りたいですよね!
効果的な飲み方とは?
基本、サプリメントは健康食品です。
というわけで、実際はいつ飲んでもOK。
けど、HMBサプリの恩恵を最大限に受けたいのならば、サプリを摂取するタイミングも重要。
一番いいタイミングはトレーニング後です!
筋トレ後は筋肉の修復が始まるため、プロテインをはじめとした栄養素を効率よく筋肉に届けてあげる必要があります。
そこにHMBも加えることで、高い効果を得ることができるでしょう。
また、トレーニング後以外であれば吸収効率が良くなっている食後もおすすめですが、
意外なところでトレーニング前もおすすめです。
HMBに筋肉の分解を抑える効果があるのは説明済みですね。
基本的に、筋トレ中は筋肉の分解の方が優勢で、筋トレ後は合成が優勢になります。
筋トレ中の分解を最小限に抑えることができれば、筋トレの効率もぐっとアップするというわけですね。
というわけで、
- 筋トレ前にHMBを摂取して筋肉の分解抑制
- 筋トレ後にプロテインや高たんぱく食品で栄養を補給
というやり方も賢い方法です。
摂取量は?
基本的には、パッケージに記載されている摂取量を厳守してください。
たくさん摂取すればそれでいいというわけではありません。
- 一日3gのHMBを摂取したグループ
- 6g摂取したグループ
では、後者のグループにおいて逆に筋肉が減少した、なんていう報告もあります。
(2000年のボールステイト大学の研究より)
また、たとえHMBがもともと体内で自然に作られる成分であるといっても、
過剰に摂取すれば内臓や循環系などになんらかの影響を与える可能性もゼロではありません。
記載の摂取量はしっかりと守るようにしましょう。
トレーニングしない日は…?
では、トレーニングをしない日はどうしたらいいのでしょうか?
やはり、摂取しないほうがいいのか?
HMBには筋肉の疲労回復を早める効果があるため、休養日である筋トレのない日にもHMBを飲んでいる人はいるようですね。
筋トレをしない日にHMBを摂取したからといって、
筋トレの効果を阻害したり体に何かしらの悪影響がでるということはありません。
基本的には、問題ないでしょう。
しかし、せっかくの休養日ですから、筋肉をゆっくりじっくり休めてあげることも重要。
- 早急なボディメイクが必要な場合
- ボディビルダー
- アスリート
などでなければ、
筋トレをしない日まで神経質に飲み続ける必要もないでしょう。
サプリメントは健康食品!
最後に、『サプリメント』に対する考え方について一つ。
サプリメントは健康食品です。
健康食品とは、食事で十分に摂取できない成分を補うためのもの。
食品であって、薬ではないのです。
だから、HMBサプリを飲むだけでは目を見張るような筋肉増強効果はありません。
HMBサプリは筋肉増強剤ではないのですから。
- 適度なトレーニング
- 偏りのない食事
そこにHMBサプリを加えることで、はじめて効果を発揮するのです。
また、薬ではないので基本的には副作用の類もありません。
しかし、これはあくまでも『摂取量の目安を守っていれば』。
過剰に摂取した場合に人体に及ぼす影響に関するデータはまだあまり多くはありませんが、
前述の筋肉量を減少させる以外にも、体質によってはなにかしら悪影響がある可能性も十分に考えられます。
繰り返しになりますが、摂取量はきちんと守るようにしましょう。
おわりに
最後に、今回のお話を箇条書きで簡単にまとめます。
- HMBサプリはボディメイクの強い味方
- 筋トレ前後や食事後に飲むと効果あり
- 適度なトレーニングと栄養バランスのとれた食事を欠かさないこと
- 摂取量はしっかり守ること!
本来、ボディメイクはある程度時間をかけて行うものです。
HMBは筋肉増強の効率を上げることでその時間を短縮することができますが、
だからといって夢中になって、
- トレーニングのやりすぎ
- HMBの過剰摂取
などに陥らないよう、十分注意しましょうね。