一昔前は男性特有の疾患だと思われていた水虫。
しかし、最近では女性でも水虫に悩む人が多いようです。
なかでも怖いのは爪水虫。
白くてボロボロの爪では、オープントゥの靴も履けませんね。
今回は爪水虫の原因や予防法、治療についてお話しします。
目次
爪水虫とは
爪水虫(別名:爪白癬)とは、爪に水虫が感染したものです。
水虫の正体は白癬菌。
実はこれ、カビなんです。
爪が水虫になるなんてことあるの?
と思われるかもしれませんが、爪は皮膚の角質が変化したもの。
構成成分は表皮や髪の毛と同じなのです。
一般的な爪水虫の症状は、まず爪が厚く白くなり、次第にもろくなっていきます。
多くは足の親指に見られるようですね。
かゆみや痛みなどの自覚症状はほとんどありません。
しかし放っておくと他の爪に感染したり、爪のまわりが炎症を起こして痛みを引き起こすこともあります。
なかには、靴を履くのも苦労したり、歩きにくくなったり…。
日常生活に支障をきたす場合もあるようです。
水虫との違いは?
水虫に感染すると、肌がポロポロと剥けてきます。
靴下を脱いだ時や素足で歩いたとき、家族からの指摘などで発覚することが多いようですね。
爪水虫は自覚のないままにどんどん進行してしまうので、そこが水虫と爪水虫の大きな違いでしょうか。
潜在的恐怖は、爪水虫の方が強大です。
また、よくある勘違いなのですが、水虫の大半は実はかゆくありません。
かゆくないから水虫でない、と自己判断せず、皮が剥けるなどの症状が見られたら皮膚科に行きましょう。
勘違いも多い?
近年、テレビや雑誌などで爪水虫が取り上げられる機会が増えました。
それに伴い、爪水虫の疑いを持って皮膚科を訪れる女性も増えているようです。
しかし、「爪が白くなってしまった」という症状を訴える女性のうち、本当に爪水虫の人は実際には少ないそうです。
爪は多少圧迫されれば簡単に白くなります。
女性の靴は圧迫感を感じるものが多く、特に小指の爪は高確率で白くなってしまいます。
そもそも、爪だけが水虫になることは稀だそうです。
慌てて皮膚科に飛び込む前に、もう一度自分の爪をよく観察してみましょうね。
爪水虫の原因は?
多くは他の人の白癬菌がついた
- 靴
- マット
- 床
などに素足で触れてしまうこと。
まず足裏の皮膚が感染し、長期間(1年以上)放置することで爪にまで白癬菌の感染が広がる、というケースが多いようです。
また、人の皮膚は爪を含めてケラチンタンパクというものでできていますが、白癬菌はこのケラチンタンパクを餌にして増殖します。
そして高温多湿の場所を好むため、
- 一日中同じ靴を履く
- 蒸れやすい革靴やブーツを履く
ことを続けると白癬菌の感染率を高めることになってしまいます。
感染する場所として多いのは、
- ジム
- 温泉
- プール
など不特定多数の人が素足で歩いているところ。
最近ではホットヨガスタジオでうつされた、なんていう報告もあるようです。
爪水虫の予防方法
爪水虫予防には、白癬菌が増殖しない環境づくりが大切です。
前述の不特定多数の人が素足で歩くような場所に行ったあとは、足をきちんと水洗いするかきちんと拭いておきましょう。
また、家族に水虫患者さんがいる場合は、お風呂場の足拭きマットに注目。
少し冷たいかもしれませんが、マットを使い分けるようにしましょう。
もちろん、スリッパ、爪切りなどの共用もNGです。
加えて、蒸れやすい足環境も改善しましょう。
抵抗があるかもしれませんが、
- 5本指ソックス
- ストッキング
は蒸れ対策に最適です。
また、デスクワーク中はナースシューズなど蒸れない靴に履き替える、などもいいですね。
蒸れだけでなく、臭い対策にも最適です。
そして毎日しっかり足を洗うこと。
足の裏だけではなく、指と指の間、そして可能であれば爪まわりなどの細かいところにも洗浄成分が届くようにしましょう。
水虫=不潔のイメージがあるかもしれませんが、きちん清潔にしていてもうつされる時はうつされてしまいます。
清潔にするだけではなく、白癬菌を避ける予防行動もしっかりととってください。
爪水虫の治療方法
問題は、すでに感染してしまった場合ですね。
爪水虫は、放っておいても治りません。
それだけではなく、白癬菌を他の部位や他人にまでばら撒いてしまうことになるので、早めに対処しましょう。
ドラッグストアに塗り薬なども売っていますが、それだけではほとんど治らないでしょう。
やはり、専門医の診断をきちんと受けるのがベスト。
疑いのある部分を少量採取し、顕微鏡で観察して白癬菌が確認されれば抗真菌剤というものを処方されます。
この抗真菌剤には
- 内服薬
- 外用薬
の両方がありますが、外用薬では爪の角層深くまで浸透しないため、爪水虫の場合は内服薬による治療が一般的なようです。
早期に発見できれば治療も長くはかかりませんが、一般的には決して短期間では終わりません。
根気よく続ける必要があります。
再発を防ぐためにも、「もう治ったかな?」なんて自己判断はせず、きちんと医師の指示に従うようにしましょう。
完治するの?
日本では爪水虫の治療で抗真菌剤を内服した場合、その治癒率は70~80%と言われています。
治療の効果が薄かった、または効果が見られなかった20~30%の主な理由は…
- 爪組織の崩壊が酷く薬が浸透しない
- 組織不全で新しい爪が生えてこない
などが挙げられます。
また、抗真菌剤は少し強い薬でもあるため、長期服用により肝機能に影響を与えることがあります。
その場合、内服を中止せざるを得ません。
内服薬が処方できない場合、専用のはさみやニッパーで爪の問題部位を切除するなど外科的処置をとる場合もあるようです。
その結果治癒率が格段に上がることもあるので、治療に効果が見られなくても経過確認は医師にしっかりしてもらいましょう。
まとめ
自覚がないからこそ怖い爪水虫。
まずはきちんと予防することが大切です。
そしてもし感染してしまったらすぐに皮膚科へ行ってください。
治療は長期間に及ぶ可能性もあります。
どれだけ早く受診しても、早すぎることはないでしょう。
きちんと治して、綺麗なつま先でペディキュアなどのおしゃれを楽しみましょうね。